2009年11月20日金曜日

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[書評] 21世紀の歴史——未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界ヨーロッパ最高の知性と讃えられることもあるフランス人のジャック・アタリ氏による今後50年〜100年ぐらいの歴史を想像する内容です。過去の歴史の流れを解説し、現在現れている兆候を分析して未来を想像します。原著は”Une brève histoire de l'avenir”として2006年に出版されたものです。

本の帯には「世界金融危機を予見した書」と書かれていますが、著者は起こる時期は2025年までとしていたので、時期については実際の状況の方が前倒しされています。ただし、金融危機が起こる前の2006年にファニーメイ、フレディマックの問題を指摘したり、実際に起こったことと近い予測をしていたのは、やはり驚きです。

本書では、まず「人類による市場の発明→市場の歴史→現在の体制の崩壊(アメリカ帝国の終焉)」という過去から現在に至るまでの歴史と、現在起こり始めている現象が説明されます。その後に、”超帝国”、”超紛争”、”超民主主義”の三つの波が訪れると述べられます。最初の二つはお金による破滅、戦争による破滅で、最後の一つは「他人が幸せになるのを見て自分が幸せになる」人類の新しい社会です。最初の二つの波が人類を破滅させる前に、最後の波を起こさなければならないと説かれています。

2025年前後に人類が破滅寸前までに行く、詳細に描かれた”超帝国”の脅威と”超紛争”の破滅は、気が滅入ってくるほどです。それに比べると超民主主義はしっくりきました。死ぬ前にこんな社会を見てみたいと感じます(著者は2060年ごろと予想)。本書は、だれも欧州連合を想像しなかった時代にジャン・ジョレスがそれを思い描いたように、また資産家も労働者も存在しない時代にマルクスが資産家も労働者の関係を予言したように、未来を思い描こうとしています。

1914年7月にジャン・ジョレス(フランスの社会主義者・政治家。フランスの第一次世界大戦への参戦に反対し、熱狂的な愛国主義者に殺される)は自由で民主的な平和と連帯に基づいたヨーロッパを描いていた。当時、80年以内に旧大陸が、彼の思い描いていたような連合体になると期待できる要因はいっさい存在しなかったのである。(p.185)
1848年1月、マルクスは資本家が勝利して、その後に労働者階級に勝利が訪れると語ったが、その当時は資本家も労働者階級も存在していなかった。つまり、マルクスは資本家や労働者階級が登場する以前に、歴史の主人公を見抜いていたのである。こうした鋭い洞察力が我々には必要なのだ。(p.289)

人類は滅亡寸前まで追いつめられてから新しい社会を築く

お金と戦争の脅威(”超帝国”と”超紛争”)と新しい社会(超民主主義)の兆候はいま既に表れています。最初の二つが人類を滅亡のふちまで追いやってから、人類は新しい社会を築くというストーリーの順序の根拠は、人類は痛い思いをしないと学ばないからだそうです。
しかしながら、超民主主義の可能性を自覚するだけでは、<超帝国>の出現を阻止することはできず、また超紛争を回避することもできないであろう。というのは、人類とは良き知らせの上には決して何も築き上げることができない輩であるからだ。(p.287)
このストーリーの順序は欧州の歴史、もしくはフランスの歴史に似ていると思います。フランスとドイツは3度争い、どちらの国家も消滅の寸前まで行ってから(フランスはヒトラーに占領され傀儡政権を樹立、ドイツは東西に分かれて占領される)、互いの幸せを願い合うことが自国の繁栄に繋がることをようやく理解します。著者はこのストーリーが世界規模で起こることを予想しているように感じました。

著者は1981〜90年のミッテラン政権時代に大統領特別補佐官を務め、将来のEU構想実現に当たってフランスと統一ドイツの関係強化が不可欠になると予想し、大統領に東西ドイツ統一の必要性を強く進言していたそうです。

世界の中心都市の移り変わり

市場秩序のの中心都市は、これまでにブルージュ、ヴェネチア、アントワープ、ジェノヴァ、アムステルダム、ロンドン、ボストン、ニューヨーク、ロスアンジェルスと過去に9回、西回りで移り変わってきたそうです。西回りの法則によると東京は次の良い候補なのですが、以下の通り筆者はその可能性は無いと見ています。
日本の首都東京は、1980年にチャンスを掴みそこねたが、2030年においても普遍的な価値を創造する能力に欠如しているだろう。例えば、個人の自由は、東京の哲学的理想ではなく、東京は外国から才能豊かな人々を十分に集めることもできない。(p.190)
中心都市に成るために外国から才能豊かな人々を十分に集めることをしないのは日本人の選択のような気もします。たかだか100〜400年で移り変わる中心都市に成り市場を支配するのではなく、辺境の地にとどまり自らの才覚で外のものを取り込んでいく方が東京にあっているように感じます。

未来の女性の役割について

著者は女性の役割が重要さを増していくと予想しています。「女性とは次世代の再生産や知識の伝承を支配しているから(P.29)」「おそらくいつかは女性が君臨することになる(P.29)」と述べています。また、他人が幸せになるのを見て自分が幸せになる”超民主主義”を推進していく”トランスヒューマン”は女性に向いていると述べています。
女性は男性よりもトランスヒューマンに向いている。というのは、相手を喜ばすことに喜びを感じることが母性本能であるからだ。経済・社会のあらゆる局面において、女性が次第に台頭してくることで、トランスヒューマンが増殖していく。(p.290)
日本の場合だと、例えば中国と韓国や東アジアが幸せになっていくのを見て自分も幸せに感じるようなものです(当然、その反対の日本の幸せが隣人の幸せを呼び起こす)。男性が主導権を持つ社会の延長線上で考えると、とても無理そうな感じです。これからは人類が破滅寸前まで行った後の、女性の主導権に期待すべきなのかもしれません。
21世紀の歴史——未来の人類から見た世界
ジャック・アタリ (著), 林 昌宏 (翻訳)

序文 21世紀の歴史を概観する
第1章 人類が、市場を発明するまでの長い歴史
第2章 資本主義は、いかなる歴史を作ってきたのか?
第3章 アメリカ帝国の終焉
第4章 帝国を超える“超帝国”の出現—21世紀に押し寄せる第一波
第5章 戦争・紛争を超える“超紛争”の発生—21世紀に押し寄せる第二波
第6章 民主主義を超える“超民主主義”の出現—21世紀に押し寄せる第三波
付論 フランスは、21世紀の歴史を生き残れるか?

2050年、そして2100年、世界の“中心都市”はどこか?国家、資本主義、宗教、民主主義は、どうなっているのか?「ヨーロッパ復興開発銀行」初代総裁にして経済学者・思想家・作家であり、“ヨーロッパ最高の知性”と称されるジャック・アタリ。これまでも、ソ連崩壊、金融バブル、新たなテロの脅威、インターネットによる世界変化を予測し、見事に的中させてきた。本書は、アタリが、長年の政界・経済界での実績、研究と思索の集大成として「21世紀の歴史」を大胆に見通し、ヨーロッパで大ベストセラーとなったものである。サルコジ仏大統領は、本書に感銘を受け、“21世紀フランス”変革のための仏大統領諮問委員会「アタリ政策委員会」を設置した。

2009年11月7日土曜日

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2009年10月のトップエントリ


Avignon, France
10月は更新エントリが3つで、アクセスは約35500PVでした。出張が3回あったためか、その月に更新したエントリ数の最低記録を6ヶ月ぶりに更新してしまいました。更新しなかった期間が25日だったのも、おそらく最長期間だと思います。

10月最後の出張は日本で、そのまま2週間滞在しています。バカンスのようなものなので、時間がある時にブログを更新しようと思っていたら挨拶回りで意外と忙しかったりして、あまり書く時間がありません。それでも、時間が経つと慣れて忘れてしまう感覚は日本にいるうちに書かなければと思い、来日してから5日目に日本一時帰国の雑感「日本は絶えず進化している」を書きました。

10月最終日に更新ししたのにも関わらず、このエントリが10月に最もアクセスを集めたエントリとなりました。今月書いたエントリは両方トップ10に入ったことになります。以下が、今週の人気エントリのトップ10です。
  1. 日本一時帰国の雑感「日本は絶えず進化している」
  2. フランス人から見た日本特集『Un oeil sur la planète: Japon : le reveil du sumo ?』(1/2)
  3. フランス人から見た日本特集『Un oeil sur la planète: Japon : le reveil du sumo ?』(2/2)
  4. センター入試とバカロレアに見る日仏の違い
  5. 「2020年までに1990年の25%CO2削減」は絶妙な一手
  6. フランス語の勉強の仕方
  7. 第10回 Japan Expo Paris 2009行ってきました
  8. もうそろそろ日本はもうダメだと言わなくてもよい
  9. 日本文化エロネタに対するフランス人の反応
  10. 日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない

2009年10月31日土曜日

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日本一時帰国の雑感「日本は絶えず進化している」


Provins, France
10月26日に日本に帰ってきました。台風通過後で飛行機がすごく揺れるというアナウンスが機内に流れ、実際にすこし揺れました。帰国後のニュースは、台風で転覆した船で3人が生存していたニュースと、ある女性の周りで不可解な死亡が頻発している事件の二つでした。

去年の正月に帰ってきたときも一時帰国の雑感を書いたので、今回も時間がたつとまったく忘れ去ってしまうような感覚を書いておこうと思います。

成田から横浜の自宅まで:異邦人の感覚

まず成田空港に降り立ったときに、気温は同じぐらいでかなり湿気が高いと感じました。パリでは、洗濯物やパンなどなんでも物が乾く乾いていきます。

空港の「Welcome to Japan」と「おかえりなさい」の併記に少し違和感を覚えました。やはり日本語は日本人だけがしゃべるものだと言う思い込みが強いと思います。つまり、日本語を勉強して初めて日本に降り立つ外国人とかは眼中に無いような感じです。フランス語では有り得ない前提だと思います。とはいえ、「日本へようこそ」では帰国者は興ざめです。担当者の気遣いに思いをいたしました。

空港内の売店には中国語が書かれていました。中国人の来日が増えていることが伺えます。

JR構内にはいたるところに駅員が配置されていて、しかも親切に教えてくれます。フランスでは有り得ないおもてなしに感激。アナウンスではすべての止まる駅を繰り返してくれたり、親切設計です。少しうるさいと感じる人もいるかもしれません。

駅と電車はかなりきれいです。観光で利益を得てるフランスも見習ったほうがいいと思います。グリーン車の切符拝見はスイカを席の上のリーダにかざせば、自動的に支払われるようでした。パリのNavigoも非接触カードだが期間単位の定期券しか買えない仕組みなので、座席の利用ごとに支払えるなんて未来のシステムに見えます。あと、機械に対する信頼度が日本の方が高いように感じます。パリでしょっちゅう壊れている改札を見ると、だんだんとそれを乗り越えている人間のほうが正しく感じてくるんです。そんな状態で座席ごとに支払われる仕組みを信頼するはずが無いと言い切れます。

地元に着くと帰ってきた~という感覚が沸きますが、これは別に日本だからと言うわけでもないみたいです。旅行からパリ郊外の自宅に戻ってきたときも同じような感覚を覚えるからです。住めば都という言葉もこれを表わしているかもしれません。

住んでいるうちは気づかなかったけど、今回気づいたのは、家の香りが、祖父母の家の香りと同じことです。

日本酒と刺身は、やっぱりうまい。最初の一口目は脳天に直撃したみたいでした。

2~3日目:危機管理に敏感になってるのかな?

この二日間は都内に出ていました。そこで気づいたことは日本人が危機管理に敏感になっているような気がしたことです。まず、この二日間で何回か電車で移動しましたが、3度も「緊急停車信号を受信しましたので安全確認ができるまで運転を見合わせます」というアナウンスが流れたのです。偶然かもしれませんが、電車運用の安全確認が厳しくなっているのかもしれません。

また、都内と横浜の地下鉄のおそらく全プラットホームに進入禁止のドアが設置されていました。日本人の安全志向の傾向が高まっているように感じます。安全志向は基本的にはいいことですが、安全とコストはトレードオフの関係にあります。コスト度外視で、なんでも完璧がいいとも言い切れないはずです。自己責任で安全に気をつけてくださいという方針も有り得ることなのです。

安全な環境に慣れれば、そのうちドアの無いプラットホームに恐怖する人が出てくるかもしれません。サービスを運用する側にすべての責任があって、顧客は安全について何も考えない環境が良いのか考える必要があります。すくなくとも、安全志向の高まりについては気に留めておいたほうがいいと思います。

5日目まで:日本は進化している

日本を離れて2.5年、3回目の一時帰国ですが、日本はものすごい勢いで変わっていると感じます。まず、地元では建物の風景がぜんぜん違います。実家の近くは開発中の地区だからかもしれませんが、フランスではこんな町はひとつも無いでしょう。パリはいつ来ても何も変わってないと言う妙な安心感がありますし、田舎の町はもっとそうです。

母校の研究室に挨拶に行ったのですが、こちらでも大きく変わっているという印象を持ちました。まず、研究室に留学生が増えました。日本にいながらにして国際的な環境で学ぶことが出来ます。また、大学院の授業では英語で行われるものも増えてきているそうです。留学生にとってはうれしい環境かもしれませんが、日本人の学生が付いていけないこともあるそうです。英語の必要性に気付けるいいチャンスだと思いました。

また、母校のキャンパスでは、グローバル30のカリキュラムを始めることになり、これによって英語だけで学位を取れるようになるそうです。僕は、「フランス留学のススメ」に書いたように考えてフランスに来ましたが、今ぐらいの学生は日本に居ながらにして、同様の経験ができるようになるのかも知れません。

以下去年の一時帰国の雑感です。

2009年10月6日火曜日

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「2020年までに1990年の25%CO2削減」は絶妙な一手


Celle St-Cloud, France
2009年9月22日、鳩山首相が国連で、日本は温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減すると表明しました。1997年の京都議定書の削減目標6%すら守れていないのに(逆に9%増えている)、ムリムリというのが普通の反応です。1990年から25%の削減というと、あと10年ほどで今年の排出量から3分の1にする必要があり、年率にすると4.1%の削減だそうです(参照)。

この目標は、経済的なコストがかさみ、企業の業績の足かせになるなどの反発もありますが、なかなか絶妙な政策だと思いました。

難しい問題だからこそやりがいがある

まず、この問題は人類がいつかは解決しなければならない問題だということがあります。地球の温暖化は温室効果ガスだけが原因ではないという調査結果なども出ていますが、エネルギー問題/環境問題としてみると、今は増え続ける一方の排出量を、いつかは減らす努力をしなくてはなりません。首相が「世界の中で相対的に高い技術開発力と資金力を持つわが国が、率先して削減目標を掲げ革新的技術を生み出しつつ、その削減を実現していくことが国際社会で求められている」と言うように、日本はこの問題を解けるかも知れない数少ない国のうちの一つです。

また、以下の引用にもある通り日本人は目標に向かって一致団結すると馬力が出るところがあります。現状ではかなり解決困難な目標ですが、団結して知恵を出し合い工夫を重ねれば、もしかして打開策が出てくるかも知れないという期待もできます。
ハトが大風呂敷から舞い上がる:日経ビジネスオンライン
「所得倍増」とか、「日本列島改造」とか「ふるさと創生」とか、この手の手近なハードルが決まると、うちの国の国民は、非常にめざましい働き方をする。でなくても、われわれは、「電子立国」「技術立国」みたいな壁に大書できるタイプの目標があると、その方向に一致団結してとても効率的に動く。これは、他の国の 人々にはなかなかマネのできないことだ。
日本人としてはやりがいのある目標に思えます。

環境先進国のイメージは日本企業の後方支援

温室効果ガスの排出を削減する努力は、排出を垂れ流すことに比べてコストが高くつきます。高すぎる削減目標には企業からの反発もあるようですが、長い目で見ると日本企業にも良いことが2つあります。まず、これから削減目標を満たそうとする努力を優遇する税制が出てくると思われます。これはエネルギー効率を改善する技術に対する投資を容易にします。排出ガスを垂れ流すことが許されている国では高コストな排出削減努力は行えませんが、削減に努力している国では高コストな排出削減への投資も行えます。下の引用にあるように、技術的な成果は輸出可能で利益にもなります。削減努力をする企業に取っては有利な状況となります。
「25%削減」に秘策はあるか? 「ポスト京都」命運握る排出権取引 JBpress(日本ビジネスプレス)
首相が言うように「高い技術開発のポテンシャルと資金力を持つわが国」はリーダー的な役割を担いつつ、その技術を海外に輸出して市場を形成する可能性を追求すべきだろう。国益としても重要事項である。
次に、消費者の環境意識の高まりは、環境に配慮した製品が選択される傾向を生み出し、今後は消費コストの少ない省エネな製品の人気が高まるはずです。この時に、環境問題を考えない国の企業が省エネの製品を出しても信用されません。過去に「高機能、高品質」なイメージで世界を席巻した日本製品のように、「環境、クリーン」な日本のイメージは将来、日本企業を後方支援するはずです。

官僚主導の政治を政治家主導に

この政策を絶妙だと思うところに、官僚主導の政治を変える意図を鮮明に感じるところです。新首相の方針として、官僚主導の政治を官邸主導にというものがありました。現在は指揮官と幕僚を両方官僚が占めているところを、政治=指揮官、官僚=幕僚という図式に変えることです。何かと批判が出ている官僚ですが、以下のように日本の官僚の優秀さは世界でも認められているほどです。指揮官がしっかりすれば、幕僚は強力だと言うことです。
日本のメディアと政治:出ずる日の光を取り込め  JBpress(日本ビジネスプレス)
「官僚社会の精神構造はまさに、サムライ当時のままだ。それは強い意思を持ち、忍耐強く、組織的にも非常に強いものだ」
さて、「2020年までに1990年の25%CO2削減」という大戦略は指揮官(政治家)が決定したことです。今までのように官僚が指揮官と幕僚を兼ねていれば、到底無理な目標だと反発して、全体の方向性が発散してしまったでしょう。官僚=幕僚という図式に当てはめれば、指揮官の決めた不可能に思える目標を可能にする個々の作戦を立案するのが官僚の仕事になります。優秀な官僚がしっかり仕事をすれば、わずかな可能性を開く打開策が見えてくるのではないでしょうか。期待したいです。

鳩山首相は「2020年までに1990年の25%CO2削減」という大方針を世界に約束したことで、政治=指揮官が大戦略を構想し、官僚=幕僚が個々の作戦を作るという構図を創り出したことが、絶妙な一手だと思います。(優秀な指揮官を選べるかは投票を行う国民の知性によるので、また別の話です。)

環境立国日本を目指して失敗したら教訓になる

25%削減で日本はまた欧米の手玉に?:日経ビジネスオンライン」には、京都議定書では欧米にカモられて不平等な削減目標を飲まされて、今回の発表では欧米はラッキーと思っていると書かれており批判的です。この批判的な試算では、排出権を「仮にトン当たり15ユーロ(約2000円)で買い付けるとすれば、8000億円の国民負担になる。...(略)...単純計算して6%削減のために8000億円が必要であれば、25%のためには、3兆3000億円が必要になる。」とあります。全てがダメダメに終わっても3兆3000億円です。湾岸戦争、住専問題、無駄な道路/建築などなど、ドブに捨てるように使われてきた数十兆円に比べれば掛ける価値のある金額だと思います。演説では「日本の25%削減目標は、すべての主要国による意欲的な目標の合意が前提」と予防線を張ってますが、中途半端に尻すぼみにして、なかったことにするにはもったいないほどの可能性のある賭けだと思います。

「2020年までに1990年の25%CO2削減」という目標は、世界を驚かせるには十分な数値目標で、成功すればこの分野における日本の立場を確固たるものにするはずです。とはいえ、非常に難しい目標です。一致団結して腰を据えて取り組み、本気でやらねば絶対に到達できない目標でもあります。

知恵を出し切り工夫を尽くした上で目標を達成できなければ、少なくともその頃には日本には環境立国という道があるのか、ないのかハッキリするはずです。まずは一つの方向にひたすら進んでみて、ダメでも教訓が残るはずです。その教訓を元に他の方向にも再チャレンジすれば良いことです。最近の日本のようにチャレンジすべき問題が見つからなくて、悲観的にだんだん沈んでいくように思っているよりは、断然マシだと思います。

2009年10月3日土曜日

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2009年9月のトップエントリ


Toulouse, France
9月はブログに時間を取れなくて5エントリを投稿してのアクセス数は約40200PVでした。

日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない」9月3日にガジェット通信さんに寄稿と言う形で掲載させてもらいました。この記事はmixiニュースlivedoorニュースexciteニュースに転載されていたため多くの人に見てもらえたようです。そのおかげで、2ちゃんねるでもスレッドがたって議論されていたようです。この様子はまとめサイトでも見れます。
議論の中で、このブログの著者が日本人であることに気づかない人がいたので、Madeleine Sophie (日本人・男)と自分の属性を載せるようにしました。フランスでは全ての日にちにキリスト教の聖人が割り当てられていて、Madeleine Sophieは僕の誕生日の聖人なのですが、実はこの方はフランス人女性なのです。混乱させてしまったかもしれません。




博士課程には2年前の10月に入学したので、卒業を予定している時期がちょうど後1年に迫りました。ちゃんと終わらせるにはどうすれば良いか、その後はどうしたいのか、いろいろ考えなければならない時期にさしかかってきました。元々このブログはフランスで博士課程をする人を勇気づけたいと始めたものなので(→[まとめ] フランス留学のススメ)、自分自身がちゃんと学位を取得できなければ目的と反対の影響を与えてしまいます。そうならないように、いろいろ考えていかないとなあと感じています。

今月のトップエントリです。
  1. 日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない
  2. もうそろそろ日本はもうダメだと言わなくてもよい
  3. フランス人から見た日本特集『Un oeil sur la planète: Japon : le reveil du sumo ?』(2/2)
  4. 日本文化エロネタに対するフランス人の反応
  5. 第10回 Japan Expo Paris 2009行ってきました
  6. フランス語の勉強の仕方
  7. 日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)
  8. 日本人はなぜ悲観論が好き
  9. フランスのマンガ人気
  10. フランス人から見た日本特集『Un oeil sur la planète: Japon : le reveil du sumo ?』(1/2)

2009年9月25日金曜日

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労働に対する社会の仕組みを試験に例える


Paris, France
怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」では、競争を抑制することで、全体と個人の時間や体力、資源を節約するアプローチを試験で例えました。この例えを使えば、様々なトピックにおいて日本の労働に関する状況がクリアになることに気づいたので紹介します。
怠け者同盟の社会は人類の未来
怠け者同盟の社会を試験で例えると以下のようになります。大学入学試験などの熾烈な競争の下では、「四合五落(4時間寝た者が合格し、5時間寝た者が落ちる)」といったことが起こりえます。競争がエスカレートするため、ライバルたちより睡眠時間を削る必要があります。怠け者同盟の社会は、これを8時間睡眠しないものは試験を受ける権利を失うというルールを設定したようなものです。つまり8時間睡眠したもの同士の競争になるため、競争は抑制されたものになります。
今回取り上げるトピックは、「日本人の労働生産性が低い」という命題と、「ベーシックインカムがもたらす影響」についてです。

日本人の労働生産性が低い理由

日本人の労働生産性が低いことはよく言われることで、以下のサイトにも色々な理由が考察されています。
残業代もなければ生産性も低い〜日本人の「労働」に未来はあるか:日経ビジネスオンライン
 社会経済生産性本部の調査では、2007年の日本の労働生産性(社員1人当たりの付加価値創出額)は約6万7000ドルで、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国の中で20番目。主要先進7カ国(米、英、仏、独、伊、加、日)の中では最下位で、14年連続最下位だ。

日本の1つ上の順位(19位)には、僅差でスペインがいる。スペインと言えば、昼寝の国。昼休みに、昼寝の時間として2時間以上休みを取る習慣がある。かたや、日本は、前述した通り、長時間労働の「働き蜂の国」。労働生産性は1人当たりの数値なので、長く働けば1人当たりの付加価値額はその分増えてもよさそうだが、実際は、「働き蜂の国」日本は、「昼寝の国」スペインに負けているわけだ。
なぜ日本がフランスに労働生産性で負け続けるか簡単に述べると、それは日本は競争が激しすぎるからです。試験に例えると、日々「四合五落の試験」を受けている日本人と、「8時間寝ないと試験資格を剥奪される試験」を受けているフランス人の違いです。競争の度合いだけに着目すると、前者を「進学校受験」、後者を「DQN校受験」と例えられるかも知れません。こう例えると、欧米各国が日本の労働生産性の低さを非難もしくは嘲笑するのは、いわばDQN達が進学校受験者に対して「君たちは試験で80点取るのに何時間費やしてるんだ(笑)。俺はちょっと勉強したら50点取れたよ。君たちは1点取るための効率が悪い」と言っているようなものです。受けている試験の競争の度合いが違うので得点のための効率が違うのは当たり前です。こういった非難、嘲笑は放っておけば良いでしょう。

ただし、自由に競争した結果、競争がエスカレートして全体と個人の時間や体力、資源が無駄につぎ込まれている点に関しては、耳を傾けた方が良いでしょう。時間や体力、資源をどのような割合で振り分ける日本社会を作るのかは、日本人が決めることで、他国の意見は関係ないはずです。

ベーシックインカムがもたらす影響

ベーシックインカムは、政府が全ての国民に対して毎月最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金(5万円~8万円程度)を無条件で支給するという構想(wikipedia)で、色々なブログでも取り上げられています。

賛成派
反対派
僕は(この時代の日本においては)反対派です。「怠け者同盟の社会のまとめ」にも書いた通り「独力で世界を変える力の無い日本は、外圧を待ちつつ、国内の産業の国際競争力を維持するために現状の自由競争路線を維持するのが、取りうる最善の策」だと思うからです。日本が世界に先駆けてベーシックインカムを導入することはあり得ないし、他国が追従する見込みもありません。正直、考えるだけ無駄か、思考実験ぐらいの代物だと思います。

思考実験としてベーシックインカムを試験に例えてみましょう。全員に毎月最低限の生活費を渡すのは、「全員が入学可能な学校を提供されている試験」と例えられます。この試験において各人の競争はどのように変化して、時間や体力、資源はどのように消耗/節約されるようになるでしょうか?おそらく日本では全員が入学可能である学校を用意したところで、トップ校を頂点としたヒエラルキーを背景とした競争が無くなることはないでしょう。各人は誰でも入れる学校があっても少しでも上を目指す傾向は無くならず、競争は緩和されません。

実際の社会に目を戻すと、これは過当競争の働き過ぎ社会が緩和されないことにあたります。おそらく、ベーシックインカムしか収入のない者は、「ベーシ」などと略され、ニートやヒキコモリとにたような語感で呼ばれるようなことになるのではないでしょうか。各人は「ベーシ」だけには落ちたくないと必死で働き続けることが考えられます。こう考えるとベーシックインカムは現在の日本においては非現実的であるだけでなく、「投入する時間や体力、資源を節約して効率よく成果を得る」効果も疑わしいと言わざるを得ません。

まとめ

労働に対する社会の仕組みを試験に例えると、競争における時間や体力、資源の配分が分かりやすくなると思います。似たトピックにおいて応用が利くと思うので、ぜひ活用してみてください。

関連:怠け者同盟の社会のまとめ

2009年9月24日木曜日

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美しい論理の裏に国益を潜ませるフランス


Gordes, France
怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中のフランス このエントリーを含むはてなブックマーク」では、「フランスが反論のしようのない美しい論理を構築するときは、多くの場合その背後にフランスの国益が潜んでいます。その点が、フランスのしたたかさであり、世界の国々に警戒されている点でもあります。」と書きましたが、思いもつかなかったの論理を見つけたので紹介します。それがこれです。
asahi.com(朝日新聞社):GDP算出に「幸福度」を加味 フランス大統領が提案
経済フォーカス:大切なものを測る尺度 GDPだけで豊かさは測れない JBpress(日本ビジネスプレス)
ニコラ・サルコジ仏大統領は先日、GDPの計算方法を見直し、長期休暇や環境への貢献などの 「幸福度」を加えるべきだと提案した

怠け者同盟の社会を実現する論理

グローバルな世界において、怠け者同盟の社会を実現する手法として「怠け者同盟の社会が働き者の社会に対抗する手段 このエントリーを含むはてなブックマーク」では同盟の拡大と同盟をつなぐ論理の構築を挙げました。同盟の拡大の例としてはEUの拡大を挙げましたが、論理の構築の方では、主に人権の拡張を説明しました。つまり、怠け者同盟の社会を進めていくために、発展途上国の未成年の不当労働、過労死や過剰労働による鬱などを槍玉にあげ、これらが人間の基本的人権を踏みにじっていると主張すると予想しました。今のフランスの傾向を分析して、今後もそれ以外に手が無いと考えたからです。でも、フランスは僕の想像を超えたようです。

否定し難い論理を利用するフランス

なんとGDPの算出方法を変更してきました。これが実現すれば、怠け者同盟の社会を実現して、競争を抑制してもグローバルな経済競争に負けることは無くなります。何しろ働いていない分も人生の幸福に貢献する使い方をすれば、数値が増加するからです。JBpress(日本ビジネスプレス)によると、「昨年サルコジ氏が任命した委員会――5人のノーベル経済学賞受賞者を含む計25人の著名社会科学者で構成――が、その研究成果(英語、292ページ)を発表した。」とあります。権威付けもなかなかですね。

フランスもすぐにはこの指標が世界標準になるとは思ってないでしょうが、もし進捗があればフランスは提唱者としての地位も確保しつつ、世界がフランスの思う方向に進むと考えているはずです。GDPが人々の暮らしの善し悪しを評価していないと言うのは定説になりつつあるので、妥当なラインを突いてきたと言うことでしょう。もし指標の標準化に失敗しても、フランスは目指す世界を世界にアピールできます。「世界に理念を波及させる国、フランス(参照)」としては、世界に自分たちの考え方を分かってもらえるだけでも国益になるのです。

否定するのは難しく、権威付けも整えて、したたかにも論理の裏に国益を忍ばせてあり、失敗しても利益になる外交テクニックは、見事と言うしかありません。

その他

自由競争に熱心なアングロサクソンの一員の英エコノミスト誌はちょっと突き放して書いているところが面白いですね。きっとフランスの唱える論理の裏側にフランスの国益を見透かしているのでしょう。
もう1つのリスクは、計測方法の拡散は利益集団への贈り物になり得ることだ。というのは、国の富の取り分を増やすために、自らの窮状を強調するような数値を好きに選べるようになるからだ。とはいえ、今はまだ初期段階だ。まずは、いろいろ測ってみたらいい。JBpress(日本ビジネスプレス)
こちらも面白いです→世界級ライフスタイルのつくり方 - 「幸福度」をGDP算出に

関連:
怠け者同盟の社会のまとめ

2009年9月23日水曜日

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怠け者同盟の社会のまとめ


Avignon, France
怠け者同盟の社会は人類の未来」から始める続きのエントリでは、フランスと日本の社会の違いを、労働に対する考え方を中心に考えてきました。フランス人の労働の価値観や、フランスが目指している政策などの背景を分析したものでした。長いエントリが続いたので、まとめるエントリを作っておきます。今後もこの話題のエントリにリンクしたいと思います。


怠け者同盟の社会のまとめ(2009/09/22)

まず、「怠け者同盟の社会は人類の未来 このエントリーを含むはてなブックマーク」では、怠け者同盟の社会では、競争を抑制し負荷を減らすということを述べました。働き者たちの社会では、企業間や個人間の競争によって地球資源、労働時間、体力をムダに消費しています。競争を抑制するために各人の労働の自由を規制すると言う考え方を紹介しました。

怠け者同盟の社会が働き者の社会に対抗する手段 このエントリーを含むはてなブックマーク」では、グローバルな世界において、怠け者同盟の社会を実現する手法について考えてみました。グローバルな世界では自分だけ競争を避けてしまっては、自分だけ貧しくなってしまいます。これに対抗する手段は、同盟の拡大と同盟をつなぐ論理の構築でした。モデルはフランスですが、例えばEUのような同盟や、発展途上国の悲惨な未成年の不当労働を非難するための論理を構築していると考えられます。

怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中のフランス このエントリーを含むはてなブックマーク」と「怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本 このエントリーを含むはてなブックマーク 」では、怠け者同盟の社会の実現に対する日仏のアプローチの違いを分析してきました。簡単に言うとフランスは理念の押し付けに熱心で、日本は受身だと考えられます。フランスは今後も同盟を強化し、論理で相手を説得するでしょうし、日本は怠け者同盟の社会に変わりたいならば、外圧をテコに変わっていけばいいと述べました。

最後に、「自由のスパイラルから脱出を目指す怠け者同盟 このエントリーを含むはてなブックマーク 」では、「Zopeジャンキー日記」さんへの返答で、自由一辺倒の考え方がヨーロッパでは薄れてきたことを解説しました。

全体的にはヨーロッパで発達してきた怠け者同盟の社会が日本にも波及していくという視点で描いています。本当に来るのか、いつ来るのかは分かりませんが、ヨーロッパ人の意識の中にはこんな様な展望を感じます。

左右の対立を越えて損益だけを考える

日本で主流である自由に働ける「働き者の社会」を保守(右派)と捉え、ヨーロッパで始まっている自由に働けない「怠け者の社会」を革新(左派)と捉えることも可能です。一連のエントリでは、怠け者の社会を説明するとき以外には、両者を中立に扱ってきました。実際、結論は「独力で世界を変える力の無い日本は、外圧を待ちつつ、国内の産業の国際競争力を維持するために現状の自由競争路線を維持するのが、取りうる最善の策だと思います怠け者同盟の社会と働き者の社会の間の競争の中の日本」というものでした。いわば、将来は左派を見据えながらも現状は右派で行くという作戦です。ハードワークは怠け者の社会では抜け駆けにあたりますが(参照)、できるだけ長く抜け駆けをして利益を追求しながら、世界が怠け者の社会に流れるのを見てから、怠け者の社会に合流する、多少ずる賢い作戦です。

どんなにハードワークが嫌いな人でも自分だけ貧しくなることには耐えられないでしょう。競争を排除する怠け者の社会を急激に適応してしまうと、国際的競争力が衰えて自分だけ貧しくなるリスクは避けられません。よって多少は競争は必要です。反対に、どんなに仕事が生き甲斐の人でも全ての時間、体力を仕事につぎ込んでしまうのはイヤでしょう。資源を無駄に消費する競争は避けた方が賢明です。右だ左だを越えて、対外的に競争力を確保しつつ無駄な競争を避ける方法を模索したいものです。

2009年9月22日火曜日

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サムスンは韓国でも特別な会社らしい


Toulouse, France
今サムスンVSソニーと言った書籍が話題になっているようです。
ソニーVSサムスン - 池田信夫 blog
ソニーは日本の代表的なグローバル企業だが、最近はグローバル化の失敗例として引き合いに出されるほうが多い。他方、ソニーに代わってアジアの電機メーカーの雄になったのはサムスン電子だ。本書は両社を比較し、その失敗と成功の要因を分析したものだ。
フランスで新刊を手に入れるのは高価なのでまだ読めてないのですが、高性能・高機能であるMade in japanの象徴だった企業が韓国企業の雄サムスンの後塵を拝しているといった内容だと思います。サムスンとソニーの争いを分析すると言う試みは興味はあるのですが、これを韓国企業と日本企業というように一般化するのは無理があると思います。サムスンは韓国では特別な会社だと聞きました。このエントリでは僕が聞いたサムスンすげーという話を紹介しようと思います。

サムスン社員は賃上げ交渉をしない

まず、サムスンの友人に聞いた話。韓国にも春闘のように賃上げ交渉の季節があるそうなのですがサムスン社員は賃上げ交渉をしたことが無いそうです。サムスンは社員に対し業界平均賃金より高賃金を約束しているからです。サムスン社員としては、他企業の社員が勝ち取った給料アップより上乗せして給与が増えるので、他企業の賃上げ交渉を応援する気持ちで心穏やかに眺めていられると言うことになります。まあ誇張して言ってるのかもしれませんが、そんな傾向はあるのかもしれません。

友人のサムスン社員

サムスン社員の友人がひとりいるのですが、そいつがすごいやつなのでサムスンすげーと思ってしまいます。彼は数学で博士号を取ったエンジニアにもかかわらず、多少日本語をしゃべります。そして漢字を使わない韓国にもかかわらず、多くの漢字を書けます。技術の説明をするときでも日本人の僕に対しては、抽象的な概念は漢字で書いて意味を確認したりするのです。アジアの文化を知るためには漢字が興味深いから練習して覚えたと言っていましたが、日常では使わないものを教養だけのために覚えるのは意識が高いと感じました。極めつけは、世界史に詳しかったことです。フランスの歴史についてフランス人よりも詳しく、職場のエンジニア集団の中でも一目置かれていました。

サムスンは韓国でも特別な会社

サムスンは言うまでも無く学生に韓国で人気の就職先です。別の韓国人学生はサムスンは最高の給与で最高にハードな仕事をするといっていました。サムスンは特別な会社で仕事のつらさに重きを置いた話だったのが印象的でした。「仕事を取るか、自由時間をとるか」人生について考えなければいけないほどに、ハードワークだそうです。

サムスンVSソニーを韓国モデル対日本モデルに一般化するのはナンセンス

サムスンVSソニーという本がこういった一般化をしているかは分からないのですが、これをもって韓国モデルが日本モデルを上回ったと分析するのには無理があります。ソニーが日本企業を代表しているという一般化はできても、サムソンが韓国企業を代表しているとすることに違和感を感じました。サムスンは特別に高給な会社が特別に優秀な人材を集める体勢を敷いて、社員が特別にたくさん働く会社で、韓国でも特別視されています。もちろんサムスンの良さを知り、日本企業の問題を知るのには賛成です。

2009年9月2日水曜日

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2009年8月のトップエントリ


Versailles, France
今月は9エントリを投稿して、約55,500PVでした。今月のエントリ「日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない このエントリーを含むはてなブックマーク 」が現在163個のブックマークを付けていただいて、このブログでは三番目にブックマークが多いエントリとなりました。

その他、6月から始めたTwitterが今月から面白くなってきて、多くの方をフォローさせていただきました。このブログには、最近気づいたことなどはまとめて書いているのですが、Twitterは面白いと思った瞬間に書き込んでいる感じです。Sophie525という名前でつぶやいています。フォローしていただいている方ありがとうございます。

Twitterのつぶやきは、あるテーマで固めてつぶやいた時には、ブログの方にも転載しようと思います。そのために、カテゴリーに「つぶやき」を追加しました。今月はこのカテゴリで始めて1エントリを投稿しました→[つぶやき] 2009年衆議院議員総選挙とはてなブックマークへの返信

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恒例のアクセス数が多かった上位10エントリです。今後ともこのブログをよろしくお願いします。
  1. 日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない 
  2. もうそろそろ日本はもうダメだと言わなくてもよい
  3. 第10回 Japan Expo Paris 2009行ってきました
  4. フランス人から見た日本特集『Un oeil sur la planète: Japon : le reveil du sumo ?』(2/2)
  5.  怠け者同盟の社会は人類の未来
  6. フランスのマンガ人気 
  7. 日本文化エロネタに対するフランス人の反応
  8. 人は平等であるはずの世界において現実は平等でない 
  9. 日本をもっとダメな国だと思い危機感を煽りましょう
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